セミナー開催レポートブログ

RAG構築の始め方|Difyのナレッジとチャンク設定で社内チャットボットを作る

開催日
2025年10月21日(火)21:00–22:00
講師
KEITO
セミナー開催レポートブログ RAG構築ワークショップ Difyでチャットボットを作る 講師KEITO 2025年10月21日開催

RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、社内マニュアルやFAQなどの資料を検索し、その内容を根拠に回答を組み立てる仕組みです。チャットボットを作るときに、モデル単体では知らない社内事実を答えさせるための中核になります。

2025年10月のProcevoの講座では、KEITOがRAGの考え方と、Difyを使った簡単なRAGチャットボット作りをワークショップ形式で進めました。

RAGの流れの図。利用者が質問し、ナレッジから関連する文書の断片(チャンク)を検索し、見つかった文を根拠にモデルが回答する

今後のセミナー予定

RAGとは何か?

RAGは次の順で動きます。

  1. 質問:利用者が自然な日本語で問いを投げる
  2. 検索:知識ベースから関連する文書の断片(チャンク)を探す
  3. 生成:見つかった文を根拠にモデルが回答する
RAGの概要を説明するスライド

モデルの学習データにない社内ルールや最新の手順書でも、ナレッジとして入れておけば参照できます。逆に、ナレッジにないことは答えられない(または幻覚しやすい)ため、「何を入れるか」が品質そのものです。

講座のゴールは?

RAG構築ワークショップのタイトルスライド
  • RAGの言葉の意味と、チャットボットでの役割を理解する
  • Difyなどのツールでナレッジを登録する
  • 簡単なRAGチャットボットを、手を動かしながら動かす

資料はZoomのチャット経由で共有され、リアルタイム作業とアーカイブでの復習が前提とされました。

どんな場面で役に立つ?

向く例

  • 社内マニュアル、FAQ、規程、商品仕様
  • 過去の対応ログの要約や、手順の案内

向かない例

  • リアルタイムの在庫・残高
  • 厳密な計算そのもの
  • 最新ニュースだけを追う質問(別途Web検索などが必要)

出典のない断定や個人情報の混入は、ナレッジの中身とプロンプトの両方で防ぐ必要があります。

RAGが向く例と向かない例の図。向くのは社内マニュアル・FAQ・規程・商品仕様や過去の対応ログ、向かないのはリアルタイムの在庫・残高、厳密な計算、最新ニュースだけを追う質問

Difyでは何をする?

Difyのチャットフロー「ガードレール機能サンプル」。質問分類器で分けて、知識検索からLLMにつなぐ例
Difyで公開したチャットボットに「ChatGPTタスクの使い方を教えてください」と質問している画面

講座ではDifyを使い、文書をナレッジに登録してチャットアプリから参照する流れが中心でした。UI上でアプリとナレッジを結び、プロンプトで「資料に基づいて答える」旨を明示します。

DriveやドキュメントのURLが画面に出る場合があるため、共有範囲と公開設定には注意が必要です。

チャンクやTop Kはどう調整する?

精度を左右する3つのつまみ。チャンク、オーバーラップ、Top K
チャンク設定を調整する画面

同じ資料でも次の設定で答えの質が変わります。

  • チャンクサイズ:1かたまりの長さ。長すぎるとノイズ、短すぎると文脈が欠ける
  • オーバーラップ:隣り合う断片の重なり。切れ目で意味が飛ばないようにする
  • Top K:モデルに渡す断片の件数。多すぎると焦点がぼやける

まず標準値で試し、ずれたらチャンクとTop Kから触る、という進め方が紹介されました。

チャットボット完成後の確認は?

  • ナレッジにある事実を聞いたとき、根拠つきで返るか
  • ナレッジにないことを聞いたとき、無理に断定しないか
  • 似た質問で、毎回大きくぶれないか

うまくいかないときは、プロンプトをいじる前に「入れた文書の質」と「チャンク設定」を疑うのが講座の推奨でした。

完成後に確かめる3点の図。ナレッジにある事実は根拠つきで返るか、ナレッジにないことを無理に断定しないか、似た質問で大きくぶれないか

検索が外れたら、まず何を確かめる?

スライド「RAGとは?」。Web検索で外部ソースを参照する、ファイル添付でローカルデータを参照する、設置したデータベースを参照する。データベース作りは人力で精度向上可能

検索と生成は別物です。検索が外れた断片ばかりだと、どれだけプロンプトを磨いても答えは直りません。まずは関連文書が拾えているかを確認し、そのうえで回答スタイルを整えます。

Difyでチャットフローを組む基本はDifyの使い方入門|チャットフローでSNS投稿文を一括作成するAIアプリの作り方、資料をAIに読ませて文章を作る別の方法はChatGPTプロジェクトの使い方|AIっぽくない自分らしい文章を作る指示の書き方で扱っています。

まとめ

RAGは「検索してから答える」仕組みで、社内知識をチャットボットに載せるときの前提です。講座ではDifyでナレッジを登録し、チャンクやTop Kを調整しながら動かす体験が中心でした。精度はプロンプトだけでなく、入れる資料と分割設定で決まる、というのが要点です。

よくある質問

RAGとファインチューニングの違いは?

RAGは外部資料をその都度検索して参照します。ファインチューニングはモデル側の重みを変える手法で、更新コストや運用が異なります。社内FAQの更新が多い用途ではRAGが扱いやすいと紹介されました。

Dify以外でもできる?

できます。同様のナレッジ検索+生成の構成は、他のワークフロー型ツールや自前実装でも実現できます。講座は手を動かしやすさからDifyを使いました。

個人情報の入った資料は?

ナレッジに入れる時点でマスキングや権限管理が必要です。チャットのログにも残るため、機密の扱いは組織のルールに従ってください。

答えがずれるときは?

まず検索結果(どのチャンクが拾われたか)を確認します。無関係な断片が多いならチャンクやTop K、文書の分割方法を見直します。

料金は?

Difyや埋め込み・生成モデルの利用料はプランと呼び出し量で変わります。2026年11月時点の各公式料金を確認してください。

すぐ本番公開してよい?

講座は学習用の最小構成です。本番では権限、監査、出典表示、評価用の質問セットなどを別途設計するのが安全です。

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