セミナー開催レポートブログ

AI動画で案件を取るには?|AIアニメの市場とClaude×​Blender制作・費用

開催日
2026年10月26日(月)21:00–22:00
講師
DAISUKEさん
セミナー開催レポートブログ AIアニメは仕事になるのか? 講師DAISUKEさん 2026年10月26日開催

AIアニメ・AI動画は仕事になります。ただ、「AIで動画を作れる」だけで案件を取るのは難しくなりました。広告代理店や制作会社の中でも AI が当たり前に使われているからです。仕事が集まりやすいのは、高品質な映像、広告の成果、SNS運用、企業の内製化支援のどれで価値を出すかを決めた人だと講師は話していました。作り方の面では、Claude に Blender を動かしてもらい、カメラワークまで言葉で頼める段階に来ています。

2026年10月26日のセミナーでは、AIアニメ制作の現場で活動する講師の DAISUKEさんが、国内外の市場の動き、最新ツールでの作り方、案件獲得の現実を、実際の制作例と一緒に話しました。AIアニメを始めたのは2025年11月。今はテレビCMや国際大会の開会式の映像まで手がけています。この記事では、市場の今、Claude と Blender を組み合わせた作り方、費用の目安、仕事にするための考え方をまとめます。

セミナーの表紙スライド。「AIアニメは仕事になるのか? 最新市場と案件獲得・制作現場のリアル」

今後のセミナー予定

AIアニメ・AI動画は、どんな仕事で使われている?

講師が関わった案件だけでも、用途はかなり広がっています。北海道自動車フェアの15秒のテレビCMは、すべてアニメーションで、AI で作ったものです。ほかにも、佐賀アジアドリームズの選手入場のオープニング映像、製造業の採用動画、子ども向けのNISAの説明動画(コンペ作品)、福井県の歯科医院の虫歯予防の啓発動画、中学校の紹介動画がありました。社長の過去から現在までを描いたストーリー動画は、自主制作のサンプルとして作ったものです。

講師が関わったAIアニメ・AI動画の事例一覧。北海道自動車フェアのテレビCM、佐賀アジアドリームズの選手入場の映像、社長の過去から現在までのストーリー、製造業の採用動画、虫歯予防の啓発動画など9件

最近では、アジア競技大会の開会式のオープニング映像も制作しています。AI で作った実在しない人物が、自然な口の動き(リップシンク)で話します。Seedance ではリップシンクが合わず困っていたところ、精度の高い MiniMax のモデルが出てきて助けられたそうです。自主制作の社長のストーリー動画は、実在の人物の写真を Nano Banana や ChatGPT の画像生成でアニメ調にして作りました。選手が大勢並ぶ野球チームのカットは、1枚に人数が多いと生成が崩れやすいため、Photoshop で合成して仕上げています。

海外や大きな作品の権利(IP)を使う分野でも、活用が進んでいます。KAGAMIAI Holdings は『キャプテン翼』と画像・動画生成AI「PixVerse」を組み合わせ、ファンが公式に画像や動画を作れる「Kagami Gate」を行いました。スライドによると、45日間の生成件数は32万9,314件、参加したクリエイターは12万6,360人(公式発表)です。講師によると、その9割以上が海外からの利用だったそうです。

Kagami Gate の事例のスライド。45日間の生成件数329,314件、参加クリエイター126,360人(公式発表)

ほかにも、次のような例が紹介されました。

  • TBS のドラマ「VIVANT」の病院の爆破シーンを AI で作り、撮影場所の確保や CG にかかる費用を抑えた例(日経新聞の記事)
  • 中国では新作のショートドラマの9割超が AI 作品になり、2026年上半期に Douyin で公開された AI 番組は22.19万本、1億回以上再生された作品は1,055本(FNNプライムオンラインの報道)
  • アクセルジャパンのように、有名タレントの写真や映像を許諾の範囲で広告に使えるサービスで、服の色やデザインを Nano Banana Pro で変えて使う例

視聴者はAIで作った広告をどう見ている?

スライドには2つの数字が並びました。「条件が整えば、生成AI広告を活用してよい」が52.0%、「生成AI広告に対してネガティブな印象を持つ」が57.6%です(出典:JIAA「2026年インターネット広告に関するユーザー意識調査」)。どちらも同じユーザー意識調査の数字です。講師は前者を企業側の受け止めに重ねて話していましたが、スライドでは視聴者の数字として示されています。

視聴者は慎重だが、条件が整えば受け入れるというスライド。52.0%と57.6%の数字と、企業に求められるのは品質・権利・透明性という一文

大手企業も AI で作った広告を出すようになり、流れは変わってきているそうです。ただ、一般の視聴者にはまだ抵抗があるとのことです。AI の案件を受けるときは、仕上がりの質と、手が6本あるような崩れに特に気をつける必要があります。スライドでは、企業に求められるのは「生成したこと」ではなく、品質・権利・透明性だとまとめていました。

最新ツールで、AI動画の作り方はどう変わった?

講師がいちばん大きな変化に挙げたのは、ChatGPT や Claude などの対話型AIの役割です。これまでは企画や台本をテキストで相談する「相談相手」でした。今は MCP(AI と外部のツールをつなぐ仕組み)で Blender や Higgsfield、After Effects とつながり、日本語の指示で制作ツールを動かす「制作のオペレーター」になっています。

対話型AIが「相談相手」から「制作オペレーター」へ変わったことを示すスライド。テキストで相談していたこれまでと、制作環境に接続する今の対比

講師は実案件で使う前の実験として、Claude を軸に5本の映像を作っていました。

講師の5つの制作例と使った道具。クッキーのCM風、ヘッドホンのCM風、アイドルのミュージックビデオ、もしも〇〇ならのショート動画、ラスボスとの戦いのカメラワーク

Claude と Blender で、どんな映像が作れる?

チョコチップクッキーのCM風の動画では、プリビズ(下書きの映像)という考え方を取り入れました。Claude に Blender を動かしてもらい、簡単な3Dで人物の動きやカメラの動きを決めた動画を作ります。それを動画生成AIの Seedance に参照させると、カメラワークを読み取ったうえで見た目を作り込んでくれる、という流れです。

プリビズの流れ。Claude が Blender で下書きの動画を作り、Seedance に参照させ、狙った動きのまま仕上げる

Seedance だけで同じ動きを作ろうとすると、15秒の動画1本に数百円かかる生成を何度もやり直すことになります。動きを先に Blender で決めておけば、そのやり直しを減らせます。

上が Blender で作った下書きの映像、下が仕上げた映像。同じ構図で人物が描き込まれている

ヘッドホンのCM風の動画は、ChatGPT で3Dモデルを作り、Claude で映像にしたものです。ほかのツールとはつないでいません。「もしも人間が10倍に巨大化したら」というショート動画は、Claude だけで作りました。子どものころに読んだ空想科学の本のような、エンタメの解説動画を狙ったそうです。

ヘッドホンのCM風の動画の一場面。黒い背景にヘッドホンと「NOIR ONE 音の世界に、没入する。」の文字
Claude だけで作った縦型のショート動画の一場面。「最大の敵は…」「つまり、巨大ヒーロー最大の敵は」の文字とキャラクター

うまくいかなかった例も見せてくれました。Suno で作った曲に合わせて、VRoid で作ったアバターを Blender で踊らせたミュージックビデオです。服が体にめり込む、関節がおかしい、背景が地味、という問題が残りました。アバターには表情を動かす仕組み(ブレンドシェイプ)がもともと入っているので、Claude にきちんと指示すれば、口の動きや表情は自然にできそうだと話していました。

最後の例が、ラスボスと勇者が戦う場面です。1枚のキャラクター画像から、カメラワークのある3Dの映像まで作っています。

ラスボスの映像の作り方5ステップ。Nano Banana Pro で画像、Blender と Higgsfield で3Dモデル、ボーンを入れる、ダイナミックなカメラワークで書き出す、効果音と演出を入れる
Blender の画面。AI で作ったラスボスの3Dモデルにボーンが入り、動きのキーフレームが並んでいる

カメラワークは細かく指示していません。「ダイナミックなカメラワークをつけて」と頼んだだけで、Claude が鳥の飛ぶ軌道やカメラの動きまで付けたそうです。書き出した映像に効果音と演出を入れてもらうと、BGM まで Claude が選んで入れました。Seedance などの動画生成AIだけでは、こうしたカメラワークを狙って作るのは難しいと講師は見ています。

書き出したラスボスの映像の一場面。巨大なボスの前に、剣を持った勇者が小さく映っている

AI動画の仕上がりは、どこで差がつく?

音声は ElevenLabs の最新モデルで感情の表現やイントネーションが自然になりました。以前のモデルでは何度もテイクを重ねるのが当たり前でしたが、今は2回ほどのやりとりで使える音声ができるそうです。作業の時間もかなり短くなりました。

講師が今の AI 映像で気になる点として挙げたのは、表情・音声・画角の3つです。

最後のクオリティを分けるのは「演出」というスライド。表情、音声、画角の3項目
  • 表情: AI で作った人物の表情は硬くなりがちです。目線・眉・口元を動かすよう、プロンプトで指示します
  • 音声: 抑揚や間、感情の方向まで指定します
  • 画角: Nano Banana Pro や GPT Image 2 で作った画像は、被写体と同じ目の高さ(アイレベル)で出てくることが多いそうです。見下ろす角度や見上げる角度に変えるだけで、映像に抑揚がつきます

映像のセンスの磨き方として、講師はアニメ制作会社で働いていた人から聞いた話を紹介しました。勧められたのは、実写の映画を「分解して観る」方法です。「このカットはなぜこの構図なのか」「なぜ正面から撮って、後ろを追いかけるのか」と分解して見ます。アニメは予算や制作期間の制約で省いた表現が多いので、学ぶなら実写映画のほうが向いているそうです。

映画を「観る」のではなく「分解して観る」というスライド。構図・カメラ・光・編集の4つの見方と、良いと思った5秒を分解してみる練習

AIアニメの案件は、なぜ取りにくくなっている?

講師は、広告や動画の市場は広がっているものの、案件を取るのは簡単ではないと話しました。理由として挙げたのは次の4つです。

市場は拡大しているが案件獲得は簡単ではないというスライド。代理店・制作会社・制作費・編集工程の4項目
  • 代理店: 広告代理店の社内でも AI動画を試している
  • 制作会社: 今いるクリエイターが AI を使うので、外に頼む理由が減っている
  • 制作費: 誰でも作れる分野ほど、単価が下がりやすい
  • 編集工程: 修正や仕上げまで社内で進む。動画の編集は Claude Code と Claude Opus 5.5 でかなりできるようになり、編集だけの仕事は特に厳しくなった

講師自身は、半年以上前から広告代理店にアプローチして提案と信頼を積み重ねたことと、経営者の交流会での直接の提案で案件につなげてきました。ただ、今は代理店のクリエイターも AI動画を使っているので、外から営業しても入りにくいそうです。地方に住んでいて経営者と会う機会が少ない場合は、同じ方法はとりにくいとも話していました。

受注できた理由は技術だけではなかったというスライド。広告代理店との関係と、経営者との直接の接点の2つ

制作だけで終わらせないなら、何を仕事にする?

講師が示したのは、「AI動画を作れる」ではなく「誰に、何を、どの成果で届けるか」から逆算する考え方です。方向は4つあります。

「AI動画を作れる」ではなく何の専門家になるかというスライド。高品質、広告成果、SNS運用、企業教育の4つ
  1. 高品質: Blender や After Effects とつなげるようになり、表現の幅が広がりました。勉強とある程度のセンスは要りますが、質の高い作品で提案します
  2. 広告成果: 映像を作るだけでなく、成果の出る広告づくりや運用まで引き受けます
  3. SNS運用: 企業のアカウントで月に5本、8本、12本といった本数の動画を投稿し、フォロワーを増やして、プロフィールからホームページや LP へ案内します
  4. 企業教育: 企業に AI動画の作り方を教える講師の仕事です

SNS では、すでに伸びやすい型があります。X や Threads で話題になった投稿を AI動画にしたと見られる15秒のショートドラマ、架空の場所に行った体験を話す Vlog 風の動画、赤ちゃんや猫が出てくる動画などです。紹介されたアカウントには、投稿12本でフォロワー22万人というものもありました。講師が勧めるのは、まず自分でアカウントを運用し、平均の再生数が1万回を超えるなどの実績ができたら、それをもとに企業に提案するやり方です。納品して終わりにせず、数字を見て次の動画を直すところまで提案すると、続く仕事になります。

SNS運用では動画を納品して終わらず改善まで提案するというスライド。企画・制作・投稿・分析の4つの流れ

企業教育の仕事が増える理由として講師が挙げたのは、内製化です。AI動画が広がると、これまで動画を外に頼んでいた企業が「自分たちで作れる」と気づく流れが、この1〜2年で起こると講師は見ています。それまでに実績を作っておき、研修を提案します。契約の目安は10時間で10万〜30万円ほどだそうです。ツールの使い方だけでなく、広告や SNS の考え方まで教えられると、さらに強みになります。ChatGPT の導入コンサルが広がったのと同じ流れが、動画や画像、ホームページづくりでも起こるという見立てです。

内製化支援のスライド。企業が自分たちで作る時代は仕事のチャンスで、作れる・使える・改善できるの3段階

差別化(ポジショニング)は、どう考える?

制作そのものが誰にでもできるようになるほど、差別化が大事になります。講師が挙げたのは、EC・通販専門、採用動画に強い、SNS で話題を生む、売上につながる広告、ミュージックビデオ専門、AI×3DCG、内製化のコンサルタントといった立ち位置です。

制作が一般化するので差別化を考えるというスライド。EC・通販専門のAI動画クリエイターなど8つの例

考える軸は2つあります。1つは自分の得意分野、もう1つは誰をクライアントにするかです。3DCG なら「車のCM専門」のようにさらに絞ってもいいし、強い会社が狙う所を避けて、ニッチな市場や業界を選ぶ方法もあります。

ポジショニングの2つの軸。自分の得意分野と、誰をクライアントにするか

AI動画の制作には、いくらかかる?

質疑で費用を聞かれると、講師は自分の課金の内訳を見せてくれました(2026年10月時点)。画像は Higgsfield の Max プランで月1万5,000円ほど、動画は MiniMax の Hailuo で月1万円ちょっとです。Hailuo は安く、たくさん作れるそうです。ほかに Flova AI や fal、Seedance も使い分けています。

講師の場合の費用の目安。画像のHiggsfieldが月1万5,000円ほど、動画のHailuoが月1万円ちょっと、約3分の映像で合計10万円ほど

1本の制作では、アジア競技大会の約3分の映像で、生成の費用が合計10万円ほどかかりました。ある学校の案件では、エンディングで使う大事な1カットのために、同じ場面の画像を何度も作り直しています。生徒の前に、高校・大学を経て社会人になった未来の自分が現れ、憧れを抱く場面にしたかったので、光の演出まで加えたそうです。作り直すうちに、自分の中で「こうしたい」という構図が見えてくるとのことでした。

Higgsfield で同じ教室の場面を何枚も作り直した画面。生徒と社会人が並ぶ構図の画像が並んでいる

これからAI動画の仕事を始めるなら、何から?

講師の答えは、勉強より先に作品を1本作ることでした。

これから始めるときの4ステップ。取りたい案件に近い15秒の作品を作る、ポートフォリオにまとめる、足りない所に合わせて道具を学ぶ、SNSなら自分のアカウントで実績を作る

CM や広告の案件を取りたいなら、ヘッドホンやお菓子のような商品の15秒の動画を作り、ポートフォリオにします。見せる作品が無いと、営業もできないからです。Claude で再現度を上げたい、Blender でカメラワークを付けたい、となったところで、その道具を学び足します。

講師も Blender はメタバースの制作で使っていたので、もともと触れました。それでも用語は「9割ぐらいわからない」そうです。作業は AI にやってもらいながら、何がどう動いているのかを学んでいると話していました。人がゼロから考えるより、AI に聞いてプロンプトを考えてもらったほうが10倍速いとのことです。3Dで AI と一緒に作る方法は、11月9日開催のAIと一緒にはじめるBlender3D制作でも扱います。

まとめ

  • AIアニメ・AI動画は、テレビCM、採用、教育、スポーツの演出、IP の活用まで使われ、市場は広がっている
  • 一方で代理店や制作会社も AI を使い、制作費も下がりやすいので、「作れるだけ」で案件を取るのは難しい
  • Claude が MCP で Blender を動かせるようになり、下書きの映像やカメラワークまで言葉で頼める
  • 仕上がりの差は、表情・音声・画角の演出と、実写映画から学ぶセンスで出る
  • 高品質・広告成果・SNS運用・企業教育のどれで価値を出すかを決め、得意分野とクライアントの2つの軸で差別化する
  • 始めるなら、取りたい案件に近い15秒の作品を1本作るところから

よくある質問

AI動画の制作には毎月いくらかかりますか?

講師の場合、画像の Higgsfield(Max プラン)に月1万5,000円ほど、動画の Hailuo(MiniMax)に月1万円ちょっと課金していました(2026年10月時点)。約3分の大会映像では、試行錯誤を含めて生成の費用が合計10万円ほどかかったそうです。

アニメ調の動画に強い動画生成AIはどれですか?

講座の時点(2026年10月)の講師の見立てでは、アニメ調なら Seedance(2 や 2.5)が強く、MiniMax の Hailuo(H3)や、Wan の最新モデル(Wan 3.0 Prime)も良かったそうです。口の動きを音声に合わせる場面では、Seedance から MiniMax に切り替えて精度を上げた例が紹介されました。モデルの入れ替わりは早いので、最新の状況を確かめてから選ぶのが安全です。

声をシーンごとにそろえるには、どうすればいいですか?

講座で見せた作品の1本は声も Seedance で作ったため、場面ごとに声がそろわなかったそうです。本来は ElevenLabs などで声を作り、その音声ファイル(MP3)を動画生成AIに参照させたほうがいいと講師は話していました。

カメラワーク専用のプロンプトは必要ですか?

必須ではありません。ラスボスの映像では、Blender で作った3Dモデルについて、Claude に「ダイナミックなカメラワークをつけて」と頼んだだけでした。こだわりがある場合は、自分で動きを付けるか、AI にプロンプトを考えてもらう方法が勧められました。

YouTube の動画編集から始めるのはどうですか?

講師の見立てでは、編集は Claude でできる範囲が広がったので、編集だけで仕事をもらうのは厳しくなっています。狙うなら、広告などの PR 動画、採用動画、社内教育用の動画のほうがいいそうです。編集を AI に任せる方法は、Claude Code×Premiere Pro の回で詳しく扱っています。

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