Difyを使えば、プログラミングなしで「1つの文章からSNS投稿文・キャッチコピー・タイトル案・ショート動画の台本・YouTube企画をまとめて作るAIアプリ」を作れます。必要なのはDifyのアカウント、OpenAIのAPIキー、APIの利用料を払うためのクレジットカードの3つです。いちばんつまずきやすいのはAPIキーの設定で、ここを抜ければ後はノードをつないでいくだけです。
2025年7月14日のProcevoのワークショップでは、講師のKEITOが画面を共有しながら、参加者と同じ手順でアプリを組み立てました。
Difyワークショップの前提条件のスライド。Difyのアカウント、OpenAIのAPIキー、クレジットカードが必要と書かれているDifyとは?ノーコードでAIアプリを作れるツール
Difyは、ドラッグ&ドロップの操作でAIチャットボットやワークフローを作れるノーコードのAIアプリ開発ツールです。FAQに答えるボット、Notionに記録していくアプリ、スプレッドシートを自動で更新する仕組みなど、少し応用的なAIアプリも作れます。
今回作るのは、次の3ステップだけのシンプルなアプリです。
- 入力された文章をAIが自然な日本語にリライトする
- リライトした文章から、SNS投稿文・キャッチコピー案・タイトル案・ショート動画台本・YouTube企画を個別に作る
- 5つの結果を1つの回答にまとめて表示する
Difyのチャットフローの全体像を示した図。開始、文字のリライト、5つのLLMノード、回答の順に処理が流れるDifyは無料で使える?始める前に必要なもの
Dify自体は無料プラン(Sandbox)で使えます。無料プランで作れるアプリは5個までで、それ以上作りたい場合は有料プランが必要です(Dify公式の料金ページ(https://dify.ai/pricing)、2026年11月時点)。DifyのアカウントはGoogleアカウントで作れます。
一方で、AIの頭脳になるOpenAIのAPIは従量課金です。OpenAIのアカウントを作り、クレジットカードを登録して利用料を前払いしておく必要があります。ChatGPTのPlusなどを契約していても、APIの支払いは別です。講師のKEITOが当日アプリを何度も動かしたときの利用料は0.09ドル(13円ほど)でした。
Difyでアプリを作り始めるには?チャットフローを選ぶ
Difyにログインしたら、「スタジオ」の「最初から作成」を押します。アプリの種類は「チャットフロー」を選び、名前を付けて「作成する」を押してください。名前は「SNS作成用AIアプリ」のような分かりやすいもので構いません。説明は任意です。
Difyのアプリ作成画面。アプリの種類からチャットフローを選び、名前を入れて作成する作成すると、「開始」「LLM」「回答」の3つのノード(四角い箱)がつながった画面が開きます。ここで「LLM」ノードを押してモデルを選ぼうとしても、最初は何も選べません。先にAPIキーを設定する必要があるからです。
DifyにOpenAIのAPIキーを設定する方法は?
ここがワークショップでもいちばん時間がかかった所です。手順は次のとおりです。
DifyのOpenAIセットアップ画面。API Keyの入力欄と、OpenAIのキー作成ページへのリンクがある- Difyの「プラグイン」から「マーケットプレイスを探索する」を開き、「OpenAI」を検索してインストールする。GeminiやClaudeを使うときも、それぞれのプラグインが必要です
- 右上のアカウントメニューから「設定」→「モデルプロバイダー」を開き、OpenAIの「セットアップ」を押す
- 画面左下の「Get your API Key from OpenAI」から、OpenAIのAPIキー作成ページに移る
- OpenAIの設定画面の「Billing」でクレジットカードを登録し、クレジットを購入する。少額で十分です
- 「API keys」の「Create new secret key」で名前を付けてキーを作り、コピーボタンでコピーする
- Difyのセットアップ画面の「API Key」に貼り付けて保存する。右上に「変更が正常に行われました」と出て、緑の印が付けば完了です
うまく保存できないときの確認点
- 支払い設定がまだ: クレジットを買っていないとエラーになります。OpenAI側の残高が0ドルでないか確かめてください
- ブラウザの翻訳がオン: 日本語翻訳をかけたままだと、キーの文字列まで翻訳されてエラーの原因になります。OpenAIのページは翻訳しない設定にしてください
- 429エラー(リクエストが多すぎる): ブラウザを再読み込みするか、新しいキーを作り直します。参加者の中には「Organization ID」も入力したら通った人がいました
APIキーは作成時に一度しか表示されません。後から見直せないので、必要ならパスワード管理ツールなどに控えておきます。キーを他人に知られると自分の残高が使われてしまうので、人に見せないようにしてください。
最初のLLMノードには何を設定する?
APIキーを設定すると、LLMノードでOpenAIのモデルを選べるようになります。今回は文章の表現が豊かな「gpt-4.1」を選びました。モデルを選んだら、次の3つを設定します。
文字のリライトノードの設定画面。モデルにgpt-4.1を選び、SYSTEMに指示文を入れている- ノードの名前を「文字のリライト」に変える(後で見返したときに分かりやすくなります)
- 「SYSTEM」(システムプロンプト)に「自然な日本語の文章にリライトして」と入れる
- 「メモリ」はオンのまま、「USER」の欄はデフォルトのまま触らない
システムプロンプトは、そのノードの仕事内容を決める指示文です。USERには、アプリを使う人がチャット欄に入れた文章(sys.query)が入ります。つまりこのノードは「入力された文章を、自然な日本語にリライトする」という仕事をします。
SNS投稿文やキャッチコピーのノードはどう増やす?
「文字のリライト」ノードの右にあるプラスマークからLLMノードを5つ追加します。そのあと、もともとの「文字のリライト」と「回答」をつなぐ線をクリックして選び、Deleteキーで消します。線をつなぐには、追加した5つのノードの右側のプラスマークを押したまま「回答」まで引っ張ります。
文字のリライトノードの後ろにLLMノードを追加している画面5つのノードは、名前をそれぞれ「SNS投稿文」「キャッチコピー案」「タイトル案」「ショート動画台本」「YouTube企画」に変えます。モデルはすべてgpt-4.1にしました。GPT-4oなど他のモデルでも動きますが、料金と出力の質のバランスはモデルごとに違います。
システムプロンプトはAIに作ってもらえる?
作れます。システムプロンプトの欄にある星形のアイコン(プロンプト生成)を押すと、作りたい内容を伝えるだけでDifyがプロンプトを書いてくれます。たとえば「X(Twitter)の投稿文を作成してください。140文字ちょうど、絵文字なし、です・ます調は使わない」と伝えて「生成」を押し、出てきたものを「適用」すればシステムプロンプトに入ります。
5つのLLMノードの名前をSNS投稿文やタイトル案などに変えた画面キャッチコピー案やタイトル案のように単純なものは、「上記から素晴らしく魅力的なキャッチコピーを5つ箇条書きで出して」のような短い指示で十分です。
前のノードの結果を使うには?変数でつなぐ
ここがいちばん大事な所です。システムプロンプトに「上記から」「指定されたテーマに基づいて」と書いても、そのままではAIは「何について書くのか」を知りません。そこで、前のノードが出した文章を変数として埋め込みます。
システムプロンプトに文字のリライトのtext変数を入れている画面システムプロンプト欄の右上にある「{x}」(変数)を押し、「文字のリライト」の中の「text」を選ぶと、リライト済みの文章がプロンプトに入ります。これで「リライトした文章をもとにX(Twitter)の投稿文を作る」という処理になります。この設定は5つのノードすべてに必要です。
最後に「回答」ノードを開き、もとから入っている内容を消して、5つの結果をまとめます。「■SNS投稿文は以下」と見出しを書いて「SNS投稿文」のtext変数を入れ、区切り線と改行を入れて、キャッチコピー・タイトル案・ショート動画台本・YouTube企画も同じように並べます。5つのノードは同時に実行されるので、待ち時間も長くなりません。
作ったDifyアプリをテスト・公開するには?
右上の「プレビュー」を押し、下の「Botと話す」欄に「ChatGPTとGeminiを比較」のようなテーマを入れて送信します。ワークフローが順番に進み、5つの結果がまとめて出てくれば成功です。どこかでエラーが出たら、そのノードの設定を見直します。「ワークフロー処理」を開くと、各ノードが何を出力したかも確かめられます。
プレビュー画面。入力したテーマからSNS投稿文やキャッチコピーがまとめて出力されている1行しか入れていなくても、最初の「文字のリライト」が400文字ほどの説明文にふくらませ、それをもとに各ノードがアイデアを出してくれます。
動作を確かめたら、右上の「公開する」→「更新を公開」を押します。この操作は上書き保存も兼ねています。続けて「アプリを実行」を押すと、専用のURLでアプリが開きます。社内のメンバーなどにこのURLを共有すれば、同じアプリを使ってもらえます。作ったワークフロー自体を共有したり、Webサイトに埋め込んだりすることもできます。
まとめ
- Difyは、ノードをつなぐだけでAIアプリを作れるノーコードツール。無料プランでもアプリを5個まで作れる
- OpenAIのモデルを使うには、OpenAIプラグインのインストール、APIキーの作成、クレジットの購入が必要
- APIキーが保存できないときは、支払い設定・ブラウザの翻訳・429エラーを確かめる
- 「文字のリライト」から5つのLLMノードに枝分かれさせ、変数で前の結果を受け渡すのが今回の肝
- プレビューでテストし、「公開する」→「アプリを実行」でURLを共有すれば完成
よくある質問
Difyは無料で使えますか?
使えます。無料のSandboxプランでもアプリを5個まで作れます(2026年11月時点)。ただし、OpenAIなどのAPIを自分のキーで使う場合、その利用料は別にかかります。
ChatGPT Plusを契約していればAPIも使えますか?
使えません。ChatGPTの有料プランとOpenAIのAPIは支払いが別です。APIを使うには、OpenAIの開発者向け画面でクレジットカードを登録し、クレジットを購入する必要があります。
DifyでLLMノードのモデルが選べないのはなぜですか?
モデルプロバイダーにAPIキーがまだ設定されていないためです。プラグインからOpenAIをインストールし、「設定」→「モデルプロバイダー」でAPIキーを保存すると、モデルが選べるようになります。
OpenAIのAPIキーを後から確認できますか?
できません。APIキーは作成したときに一度しか表示されません。分からなくなったら古いキーを削除して新しく作り直し、Difyに入れ直してください。
Gemini APIでも同じアプリを作れますか?
作れます。その場合はGeminiのプラグインをインストールし、GeminiのAPIキーを設定します。ワークショップでは、Geminiのほうがエラーが出るケースがあったため、OpenAIを使う手順で進めました。
作ったアプリを他の人に使ってもらうには?
右上の「公開する」から「更新を公開」を押し、「アプリを実行」で開いたURLを共有します。URLを知っている人は、そのままチャット形式でアプリを使えます。