DifyとNotionを連携すると、音声ファイルや文字起こしテキストを入れるだけで、AIが誤字脱字を直して議事録の形にまとめ、Notionのデータベースへページとして保存するチャットフローを作れます。必要なのは、DifyのNotionプラグイン、Notionの内部インテグレーション、Gemini APIキーの3つです。
2025年9月9日のProcevoの講座では、講師のKEITOがDify(https://dify.ai/jp)とNotion(https://www.notion.com/ja)をつなぎ、Geminiで文字起こしと文章整理を行うチャットフローを一から作りました。
タップで拡大 DifyとNotionの議事録チャットフローの図。開始ノードで音声とテキストを受け取り、LLMで文字起こしと整理、回答、Notionページ作成の順につなぐ DifyとNotionを連携すると何ができる? Dify(ディファイ)は、AIを組み込んだチャットボットやワークフローをノーコードで作れるツールです。Notionは、メモやデータベースを一か所で管理できるツールです。
Difyとはのスライド。オープンソースで無料、ドラッグ&ドロップのノーコード、主要なLLMへの対応、RAG、エージェントツール、プラグインとMCPが並ぶ アプリのワークフローイメージのスライド。テキストか音声を入れ、誤字脱字を直し、議事録風にまとめて回答する 本講座で作ったのは、次の流れを自動で進めるチャットフローです。
テキストまたは音声を入れる 誤字脱字を直す 議事録風にまとめる 回答として表示し、Notionのページに保存する Zoomなどの自動文字起こしは精度が高くないことがあるため、まず誤字脱字やフィラー(「えー」などの言葉)を直す工程を入れ、そのあと議事録の形に整えるという二段構えにしています。講座のデモでは、約1時間半の講座の文字起こしを貼り付けて送信すると、日付・内容・やったことが整理されたページがNotionのデータベースに追加されました。
必要なアカウントと費用は? 講座で示された前提条件は次のとおりです。
前提条件のスライド。DifyとNotionのアカウント、Difyの無料版、AIの従量課金、OpenAIのアカウントとクレジットカード Difyのアカウント(Googleアカウントで登録可能) Notionのアカウント Difyは無料版でも利用可能(講座開催時点ではアプリ5個まで) AIの部分はAPIによる従量課金(講座では1000文字あたり1〜2円程度と紹介) OpenAIのAPIを使う場合は、OpenAIのアカウントとクレジットカードが必要 本講座ではGeminiのAPIを無料枠で使う手順を中心に進めました。料金や無料版の上限は変わることがあるため、Difyの料金ページ(https://dify.ai/pricing)やGemini APIの料金ページ(https://ai.google.dev/gemini-api/docs/pricing)で最新の内容を確かめてください(2026年11月時点)。
DifyにNotionプラグインを入れるには? まずDifyの画面右上の「プラグイン」を開き、「マーケットプレイス」で「Notion」と検索して、Notionプラグインをインストールします。
次にNotion側で、保存先になるデータベースを作ります。左上のワークスペース名の横にある新規作成(鉛筆)のアイコンから「データベース」を選び、「Dify用データベース」など分かりやすい名前を付けます。
ここで大事なのが、データベースのタイトル列の名前を「Name」に変えておくことです。DifyのNotionプラグインはこの「Name」という列名を参照するため、日本語の「名前」のままだと後でエラーになります。
タップで拡大 DifyとNotionをつなぐ準備の5つの手順の図。Notionプラグインの導入、タイトル列をNameに変更、内部インテグレーションの作成とアクセス許可、シークレットのコピー、Difyへの貼り付け Notionのインテグレーションはどう登録する? インテグレーションとは、外部のアプリがNotionのページやデータベースを読み書きできるようにする仕組みです。Notionのインテグレーション管理ページ(https://www.notion.so/profile/integrations)で次のように設定します。
Notionインテグレーションを作成するスライド。作成したデータベースを選択してアクセスを更新する 「新しいインテグレーション」を選び、名前・関連ワークスペースを入れ、種類は「内部」にして保存する インテグレーション設定の「アクセス」タブに移動し、「ページを選択」から先ほど作ったデータベースを選んで「アクセスを更新」を押す 「内部インテグレーションシークレット」(APIキー)をコピーし、メモ帳などに控える 続いてDifyの「プラグイン」一覧からNotionを開き、「認可」→「APIキー認証設定」を選びます。認証名は任意で、「統合シークレット」の欄にコピーしたキーを貼り付けて保存します。表示が緑色になれば接続できています。シークレットは他人に見せないよう管理してください。
タップで拡大 Notionで内部インテグレーションを作り、データベースへのアクセスを許可してシークレットをDifyに登録する4手順。 Gemini APIキーはどう用意する? Difyでは、使いたいAIモデルごとにプラグインを入れます。マーケットプレイスで「Gemini」と「OpenAI」を検索し、それぞれインストールしておきます。
Gemini APIキーはGoogle AI Studio(https://aistudio.google.com/)で取得します。左側のメニューの「Get API key」からAPIキーのページを開き、「APIキーを作成」を押せばすぐに発行できます。以前にキーを作ったことがある場合は、プロジェクトを選んでから作成します。発行直後は無料枠(Free)で使え、上限を超えて使いたいときはGoogle Cloudの請求先アカウントを設定します。
取得したキーは、Difyの右上のアカウントメニュー→「設定」→「モデルプロバイダー」でGeminiの「セットアップ」を開き、APIキーの欄に貼り付けて保存します。講師のKEITOによると、APIキーは多くのサービスで後から再表示できないため、取得したらすぐに安全な場所へ控えておくのが基本です。
タップで拡大 Gemini APIキーをDifyに入れるまでの4つの手順の図。プラグインの導入、Google AI StudioでのAPIキー作成、キーを控える、モデルプロバイダーに貼る 開始ノードで音声とテキストを受け取るには? 準備ができたら、Difyのトップページで「最初から作成」→「チャットフロー」を選び、名前を付けて作成します。
Difyのスタジオでアプリを作成するメニュー。「最初から作成」に矢印がついている チャットフローを作るスライド。開始ノードの右側パネルで入力フィールド横の+をクリックする 最初に「開始」ノードを選び、右側のパネルの「入力フィールド」横の「+」から、ファイルを受け取る欄を2つ作ります。
音声用:フィールドタイプ「単一ファイル」、変数名「onnsei」、ラベル名「音声」、サポートするファイルタイプ「音声」、アップロード方法「ローカルアップロード」、必須はオフ テキスト用:フィールドタイプ「単一ファイル」、変数名「txt」、ラベル名「テキスト」、ファイルタイプ「ドキュメント」、ローカルアップロード、必須はオフ これで、完成したチャットボットで音声ファイルやテキスト・Wordファイルをアップロードできるようになります。
文字起こしと文章整理のLLMノードはどう作る? 次に、最初からあるLLMノードの名前を「文字起こし」に変え、開始ノードとつなげます。ノードに役割の名前を付けておくと、どこで何をしているかが分かりやすくなります。
文字起こしブロックの内容のスライド。USERにsys.query、音声ファイルの変数onnsei、テキストファイルの変数txtを入れ、一語一句文字起こしするプロンプトを使う 文字起こしノードの設定は次のとおりです。
AIモデル:音声を扱える(マルチモーダルでオーディオに対応した)モデルが必要なため、Geminiを使う。講座では速さを重視してGemini 2.5 Flashを選択 SYSTEM(システムプロンプト):「動画もしくは音声データを一語一句文字起こししてください」 USER:「メモリ」をオンにすると表示される。ここに sys.query(チャット欄に入力した文字)と、変数の挿入で「onnsei」(音声)と「txt」を入れる。初期状態の sys.files は今回は削除した 変数とは、前のノードで受け取った値を次のノードへ受け渡すための入れ物です。これにより、アップロードされた音声やテキスト、入力した文字、システムプロンプトがまとめてAIに送られます。
続いてLLMノードをもう一つ追加し、名前を「文章の整理」にして文字起こしノードとつなげます。
文章の整理ノードでは、モデルにGemini 2.5 Proを選び、SYSTEMに議事録(または日報)を作るためのプロンプトを入れ、USERに文字起こしノードの出力テキストを変数で入れます。講座で配布されたプロンプトには、手順と3つの出力例(Example)が含まれています。まとめ方を変えたいときは、手順だけでなく出力例も書き換える必要があります。
タップで拡大 文字起こしノードにGemini 2.5 Flash、文章の整理ノードにGemini 2.5 Proを使い、出力テキストを変数で渡す図。 回答ノードとNotionページ作成はどう設定する? 「回答」ノードでは、初期のテキストを消し、変数の挿入で「文章の整理」の出力テキストを入れます。講師のKEITOによると、変数を入れたあとに余計なスラッシュ(/)が残ることがあるため、残っていたら消しておきます。
回答ブロックを追加してつなげるスライド。文章の整理ノードの後ろに回答ノードを置く 最後に、回答ノードの「+」から「ブロック」ではなく「ツール」タブを開き、「プラグイン」→「Notion」→「Notionページを作成」を追加します。
Notionページ作成ブロックの主な設定は次のとおりです。
ページタイトル:任意の文字列 ページコンテンツ:「/」を入力して変数を呼び出し、「文章の整理」のテキストを入れる 親ID:保存先データベースのID。Notionのサイドバーでデータベースを右クリックして「リンクをコピー」し、URLのうちワークスペース名のあとから「?」の前までの英数字の部分 親のタイプ:database タップで拡大 Notionページを作成ブロックの設定の図。データベースのリンクのうちワークスペース名のあとから「?」の前までを親IDとして取り、ページタイトル・ページコンテンツ・親ID・親のタイプを設定する 動作確認と公開でつまずきやすい点は? 設定が終わったら、右上の「プレビュー」から「テスト」などと入力して送信します。開始→文字起こし→文章の整理→回答→Notionの順にノードが実行され、Notionのデータベースにページが追加されれば成功です。
講座では、Notion用の認証情報を複数登録していたため、既定の認証が別のものになっていて最初は保存に失敗する場面がありました。認証を複数作った場合は、使いたいものが既定になっているか確かめてください。
問題がなければ、右上の「公開」→「更新を公開」を押し、「アプリを実行」で発行されるURLから使えるようになります。プロンプトなどを編集したあとも、「更新を公開」を押さないと変更が反映されない点に注意が必要です。
タップで拡大 プレビューでNotionへの保存を確認し、既定の認証を確かめ、編集後に更新を公開する流れ。 そのほか、講座で確認されたポイントは次のとおりです。
音声ファイルにはサイズの上限があるため、長い会議の録音は入らない場合がある。その場合は文字起こしテキストのアップロードで対応する 開始ノードに「映像」の入力フィールドを追加し、文字起こしノードのUSERに変数で入れると、短い動画ファイルからも文字起こしができた 議事録の「やったこと」が3項目しか出ないなど、まとめ方に不満がある場合はプロンプトと出力例を調整する 受講者からは、タイトルに日付を入れたいという声があり、日時を取得するツールのノードを間に挟んで現在時刻をタイトルに使う方法や、Notionのデータベースに「作成日時」のプロパティを足す方法が紹介された Dify×Notionはほかに何に応用できる? 講座の最後には、応用例も紹介されました。
WebサイトにDifyのQ&Aボットを埋め込み、ユーザーの質問とボットの回答をNotionに記録する ナレッジ(参考データ)を大量に入れたQ&Aボットを作る。講師のKEITOによると、AIの回答の質はナレッジにどれだけ良いデータが入っているかに大きく左右される Slack通知や、MCPサーバーへの接続を使ったGmail・Googleカレンダー・Googleドライブ・Figmaなどとの連携 OpenAPIの仕組みでカスタムツールを作り、Google Apps Script経由でスプレッドシートに画像解析の結果を書き込む(例:請求書PDFの内容を一覧にまとめる) タップで拡大 講座で紹介されたQ&Aボットの記録、ナレッジを使うQ&Aボット、MCPサーバーによるGmailなどとの連携、画像解析結果のスプレッドシート記録の4例。 Difyのチャットフローの基本はDifyの使い方入門|チャットフローでSNS投稿文を一括作成するAIアプリの作り方 、NotionとAIをつなぐ別の方法は動画からマニュアルを自動作成|Claude Code×Notion連携とトークンの設定 で扱っています。
まとめ DifyのNotionプラグインとNotionの内部インテグレーションをつなぐと、AIが作った文章をNotionのデータベースへ自動で保存できる Notionのデータベースのタイトル列は「Name」に変えておく 音声を扱う文字起こしノードには、オーディオに対応したGeminiを使う 文字起こし→文章の整理→回答→Notionページ作成の順にノードをつなぎ、変数で値を受け渡す 編集後は「更新を公開」を押し、まとめ方はプロンプトと出力例で調整する よくある質問 DifyとNotionの連携は無料でできますか? Difyは無料版でもアプリを作れ、NotionのインテグレーションやGemini APIの無料枠も使えるため、講座では費用をかけずに作成しました。利用量が増えるとAPIの従量課金が発生する場合があります。
Notionのデータベースの列名を「Name」にするのはなぜですか? DifyのNotionプラグインが、ページのタイトルを書き込む先として「Name」という列名を参照するためです。日本語の「名前」のままだとエラーになることがあります。
親IDはどこで確認できますか? Notionのサイドバーで保存先のデータベースを右クリックし、「リンクをコピー」で得たURLの、ワークスペース名のあとから「?」の前までの英数字がデータベースのIDです。
音声の文字起こしにOpenAIのモデルは使えますか? 講座では、音声を直接処理するにはオーディオに対応したマルチモーダルなモデルが必要なため、Geminiを使いました。文章の整理などテキストだけの処理なら、ほかのモデルも選べます。
長い会議の録音でも使えますか? 音声ファイルにはアップロードできるサイズの上限があるため、1時間を超えるような長い録音は入らない場合があります。その場合は、文字起こしのテキストファイルをアップロードするか、テキストを直接貼り付けて使います。
編集した内容が反映されないのはなぜですか? Difyでは、ワークフローを編集したあとに右上の「公開」から「更新を公開」を押さないと、公開中のアプリに変更が反映されません。