セミナー開催レポートブログ

まじん式プロンプトV3の使い方|GeminiとGASでスライド自動作成

開催日
2025年10月7日(火)21:00–22:00
講師
まじんさん
セミナー開催レポートブログ まじん式プロンプトV3でスライドを自動作成 講師まじんさん 2025年10月7日開催

「まじん式プロンプト」は、GeminiのGemとGoogle Apps Script(GAS)を組み合わせて、テキストからGoogleスライドを自動で作る仕組みです。必要なのはGoogleアカウントだけで、無料版のGeminiでも使えます。

2025年10月7日のProcevoの講座では、考案者である講師のまじんさんがバージョン3(V3)のセットアップ、実演、デザイン設定、Google Vidsで音声付き動画にする方法までを解説しました。

まじん式プロンプトV3の流れ。準備、元ネタ入力、JSONの設計図、Webアプリでスライド生成の4ステップ

今後のセミナー予定

まじん式プロンプトとは?

まじん式プロンプトは、Geminiに入力した文章を「スライドの設計図」に変換し、それをGASのWebアプリでGoogleスライドとして生成する仕組みです。Gemは、あらかじめ指示(プロンプト)を登録しておけるGeminiのカスタムチャットボット機能です。

会社で外部AIサービスが使えない状況を示すスライド

講師のまじんさんによると、社内で生成AIの活用希望を集めたところ、最も多かったのが「スライドを作りたい」という声でした。一方で、セキュリティ上の理由から外部のスライド生成AIサービスは使えない環境だったため、Google Workspaceの中だけで完結する方法として開発されました。

開発の過程では、Markdownからスライドを作るアプリや、HTMLをGoogleスライドに書き出すアプリも試されました。しかし、最終的にGoogleスライドとして編集できないと社内で使いにくいことが分かり、GASでGoogleスライドを直接組み立てる方式に落ち着いたと紹介されました。

V3では何が変わった?

講座開催時(2025年10月)のV3では、主に次の点が変わりました。

  • 出力がJSONになり高速化:以前はGemがGASのコードを丸ごと書き出すため4〜5分かかっていましたが、V3ではスライドの設計図をJSONで出力するため、30秒ほどで終わります
  • 専用のWebアプリで生成:JSONを貼り付けて生成ボタンを押すと、数秒〜十数秒でスライドが完成します
  • スライドパターンが28種類に:初版の13種類、V2の19種類から、さらに9種類増えました
  • プロンプトの軽量化:V2は約9万5,000文字あり、無料版GeminiのGemの文字数上限(講師のまじんさんによると約3万文字)に入りませんでした。V3は約1万5,000文字になり、無料版でも登録できます
以前の版とV3を比べた図。V3はGemが設計図をJSONで出すため約30秒で終わり、スライドパターンは28種類、プロンプトは約1万5,000文字で無料版にも入る

プロンプトはどのように設計されている?

講師のまじんさんは、まじん式プロンプトを「Geminiに洗濯機になれと命令するようなプロンプト」と説明しました。AIと対話しながら作るのではなく、決まった手順を毎回同じように、例外なく実行させる設計です。処理は次の6ステップに分かれています。

「Gemini、お前、洗濯機になれ。」と書かれた設計思想のスライド
まじん式プロンプトのAIアーキテクチャ(コンテキスト分解・パターン選定・スライド割当)
  1. コンテキストの分解:入力された文章から序論・要点などの骨組みを取り出し、全体像をつかむ
  2. スライド構成の選択:用意されたスライドパターンから、内容に合うものを選ぶ
  3. 情報の配置:選んだパターンのどこに、どの情報を置くかを決める
  4. スライドデータの生成:位置・色・サイズなどのデザインは事前に固定されており、AIは決められた型に情報を流し込むだけ
  5. 自己検証:禁止ワードやフォーマットの崩れがないかをセルフチェックさせる
  6. コード出力:余計な発言をせず、コードブロックだけを出力させる
AIが内容に合うスライド構成を選び、固定されたデザインに情報を流し込む仕組み。

講師のまじんさんによると、Gemは自分の出力を自動で修正するエージェントではありません。それでも自己検証の指示を入れておくと、明らかにミスが減る実感があるとのことです。

Gemはどうセットアップする?

1つ目の準備は、Gemの作成です。

Geminiでまじん式プロンプトv3のGemを作成する画面
noteに公開されているV3の配布ファイル一覧
  1. Geminiを開き、左のサイドバーから「Gem を表示」→「Gem マネージャー」→「Gem を作成」を開く
  2. 名前を付ける(例:「まじん式プロンプトV3」)
  3. 講師のまじんさんがnoteで公開しているシステムプロンプトのファイルをダウンロードし、中身をすべて「カスタム指示」に貼り付ける
  4. 保存して「チャットを開始」を押す

GASのWebアプリはどう作る?

2つ目の準備は、スライドを生成するWebアプリです。Google Apps Script(https://developers.google.com/apps-script)で作ります。

Apps Scriptエディタにコードを貼り付けた画面
新しいデプロイでWebアプリとして公開する設定画面
  1. Googleドライブの「新規」→「その他」→「Google Apps Script」でプロジェクトを作り、分かりやすい名前に変える
  2. 初期の「コード.gs」の中身を消し、noteで配布されているコードを貼り付ける
  3. ファイルの「+」から「HTML」を追加し、名前を「index」にして、配布されているHTMLを貼り付ける
  4. 「プロジェクトの設定」で「appsscript.json マニフェスト ファイルをエディタで表示する」をオンにし、表示されたappsscript.jsonにも配布ファイルの中身を貼り付ける
  5. 保存して「デプロイ」→「新しいデプロイ」を選ぶ

デプロイ設定では、種類をWebアプリにし、「次のユーザーとして実行」を自分のアカウント、「アクセスできるユーザー」を「自分のみ」にすることが推奨されました。続いてアクセスの承認画面が出たら、自分のアカウントを選び、警告画面で「Advanced(詳細)」から先に進んで「許可」を押します。表示されたWebアプリのURLをブックマークしておくと、次回からすぐ開けます。

Google Apps Scriptの作成からコード.gs、HTML、appsscript.jsonの設定、Webアプリのデプロイまでの手順。

スライドを作る手順は?

使い方は、Gemへの指示から始まります。

Google Slide GeneratorのWebアプリ画面
自動生成されたビジネスマナー講座のGoogleスライド例
  1. Gemに、スライドの元ネタを入力する。「新入社員にビジネスマナーを教えるためのスライド資料を作ってください」のような1行の指示でも動く。調査結果の文章、PDF、音声データ、会議の文字起こしなど、Geminiが読めるものなら何でも使える
  2. Gemが対象者・目的・時間・枚数・トーンなどの構成案を出すので、問題なければ「OK」と返す(変えたいときは要望を書く)
  3. 出力されたJSONをコピーし、Webアプリの「スライドデータを入力」に貼り付ける
  4. 「正常」と枚数が表示されたら「プレゼンテーションを生成」を押す。エラーが出たときは、エラー文をGemに貼り付ければ修正版が出る
Gemに元ネタを入力し、構成案を確認してJSONをWebアプリに貼り付け、スライドを生成する流れ。

モデルは2.5 Proのほうが説得力のある構成になりやすいものの、無料版では利用上限にすぐ達するため、講座では2.5 Flashで実演されました。講座のデモでは17枚のスライドが約6秒で生成され、各スライドにはスピーカーノート(読み上げ原稿)も自動で入りました。

なお、Webアプリ自体はGemが出したデータどおりにスライドを組み立てるだけで、そこにAIは関わりません。内容の正確さはGemとのやり取りで決まるため、元ネタの原稿をきちんと用意してから渡すことがすすめられました。

デザイン設定では何ができる?

Webアプリの「デザイン設定」で、見た目を自社のテンプレートに近づけられます。

Webアプリのデザイン設定の図。色・フォント・フッター、装飾とロゴ、背景画像と保存先フォルダを変えられ、画像を入れると生成に時間がかかる
  • プライマリーカラー:スライド全体のテーマカラー。カラーコードかカラーピッカーで選ぶ
  • フォント:4種類から選べる。初期値はNoto Sans JPで、Noto Serif JPにすると明朝体になる
  • フッターテキスト:スライド下部の社名などの文字
  • 保存先フォルダURL:V3の新機能。生成したスライドを保存するGoogleドライブのフォルダを指定できる
  • 装飾設定:タイトル下のアンダーライン、下部のフッターバー、日付表示のオン・オフ、装飾へのグラデーション
  • ロゴ設定:ヘッダーロゴとクロージングロゴを、Googleドライブに置いた画像の共有リンクで指定できる
  • 背景設定:タイトル・セクション・メイン・クロージングの各スライドに背景画像を入れられる

グラデーションのコツは、開始色をプライマリーカラーと同じにし、終了色だけを選ぶことです。ただし、画像やグラデーションを入れると生成に時間がかかり、デモでは約82秒かかりました。

背景にはGIFアニメーションも入れられます。講師のまじんさんは、Canvaのテンプレートで作った背景画像をGeminiの動画生成(Veo)で動きのある動画にし、GIFに変換して使う方法を紹介しました。講師のまじんさんによると、画像は1枚50MB以内、スライド全体で100MB以内に収めないとエラーになります。

Google Vidsでナレーション付き動画にするには?

Google Vids(https://workspace.google.com/products/vids/)を使うと、作ったスライドを動画に変換できます。「スライドを変換」からGoogleスライドを読み込むと、スピーカーノートがスクリプトに反映されます。

Google Vidsにスライドを読み込んだ画面

講座開催時、AIによる読み上げ機能は日本語の画面には表示されていませんでした。講師のまじんさんが紹介した方法は、Googleアカウントの優先言語を英語に変えてからVidsを再読み込みすることです。これで「Generate all voiceovers」ボタンが表示され、約10種類の声から選んで全スライドの音声を数秒で作れました。さらに、アバターがスピーカーノートを読み上げる機能もあります。ただし1スライドあたり1〜2分かかるため、タイトルやクロージングだけに使うのが効果的とされました。言語の設定はいつでも日本語に戻せます。

Google Vidsにスライドを読み込み、アカウントの優先言語を英語に変えて音声を生成する流れ。

AI機能は有料版のGeminiかGoogle Workspaceの契約が必要です(2026年11月時点。詳細は公式を参照)。完成した動画はMP4でダウンロードしたり、共有したりできます。

スライドの元ネタを集めるコツは?

講座の終盤では、元ネタづくりの応用も紹介されました。

  • note記事をNotebookLMに集める:ハッシュタグ検索で見つけた記事のURLを一括で取得し、Chrome拡張機能「WebSync Full Site Importer」でNotebookLMに読み込む。そこから原稿や動画解説を作り、スライドの元ネタにする
  • 画像付きの記事を取り込む:Obsidian Web Clipperを使うと、記事をMarkdownで、埋め込み画像のURLごとコピーできる。Gemに「画像を多く使うパターンで」「最大50枚で」「セクションスライドは不要」などと指示すると、その条件に沿って作られる

まじん式で作れるスライドは最大50枚です。使うパターンや枚数を指示すれば、ある程度それに従います。

note記事をNotebookLMに集める方法と、画像付き記事をMarkdownで取り込む方法。

スライド資料を別のAIで作る方法はNotion AIでプレゼン資料を作る方法|文字起こしからスライドとパワポまで、AIに渡す元ネタの伝え方はAI疲れを減らす6つの方法|Claude Codeの並列作業で認知負荷を下げる工夫で扱っています。

まとめ

  • まじん式プロンプトは、GeminiのGemとGASのWebアプリでGoogleスライドを自動生成する仕組みで、Googleアカウントだけで使える
  • V3は出力がJSONになり、Gemの出力は約30秒、スライド生成は数秒で終わる。パターンは28種類
  • セットアップは、Gemへのプロンプト登録と、GASへの3ファイルの貼り付け・デプロイの2つ
  • デザイン設定で色・フォント・ロゴ・背景・保存先を変えれば、自社テンプレートに近づけられる
  • Google Vidsを使えば、スピーカーノートからAIナレーション付きの動画も作れる

よくある質問

まじん式プロンプトは無料で使えますか?

使えます(2026年11月時点)。必要なのは無料のGoogleアカウントだけです。V3はプロンプトが約1万5,000文字に軽量化され、無料版GeminiのGemにも登録できます。料金や制限の最新情報は公式サイト(https://gemini.google.com/)で確認してください。

社外のAIサービスが使えない会社でも使えますか?

GeminiとGoogle Apps Script、Googleスライドだけで完結するため、Google Workspaceを使っている会社なら導入しやすい仕組みです。実際に、外部のスライド生成AIが使えない環境のために作られました。

ハルシネーション(誤った内容)のリスクはありますか?

スライドの内容はGemの出力で決まります。1行の指示だけだとGeminiの知識に頼るため、誤りが入る可能性があります。正確さが必要なときは、元ネタの原稿を用意して渡すのがすすめられています。Webアプリ側はデータどおりに組み立てるだけです。

エラーが出たらどうすればいいですか?

Webアプリに表示されたエラー文をコピーしてGemに貼り付けると、修正したデータを出力し直してくれます。講師のまじんさんによると、V3ではエラーはほとんど出ません。

スライドの背景を動かすことはできますか?

GIFアニメーションを背景画像に指定すると、Googleスライド上で背景が動きます。画像は50MB以内、スライド全体で100MB以内に収める必要があります。

商用で使ってもいいですか?

講師のまじんさんによると、営利目的を含めて、社内共有やコミュニティでの紹介、改造しての利用は自由です。ただし、プロンプトやその解説を有料で販売することは控えるよう求められています。

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