操作マニュアルは、画面操作をOBSで録画し、その動画をGeminiに渡すと、手順書の文章とスクリーンショットを撮る秒数までまとめて作れます。スクリーンショットは手で貼るか、AIエージェントのManusで一括で入れ、大きさがばらばらならGoogle Apps Scriptでそろえます。
2025年8月13日のProcevoの講座では、講師のKEITOが一連の流れを実演しました。OBS Studio(https://obsproject.com/)での録画からGoogle Gemini(https://gemini.google.com/)での下書き、Manus(https://manus.im/)での一括挿入、Google Apps Script(https://developers.google.com/apps-script)での仕上げまでです。
タップで拡大録画1本からスクショ付き手順書を作る流れの図。OBSで録画、Geminiで文章作成、手動かManusでスクショ挿入、Apps Scriptで画像サイズ調整動画からマニュアルを作るメリットは?
講座で挙げられたメリットは3つです。操作マニュアルがすぐにできること、ブログ記事などにそのまま使える操作手順が手に入ること、印刷して研修や勉強会のようなオフラインの場でも使えることです。一度録画しておけば、文章を一から書く手間がかかりません。
今回のマニュアル作成のメリットを3つ並べたスライド。操作マニュアルが一瞬で完成、記事などで利用できる操作手順が完成、オフラインでも活用可能Geminiでマニュアルを作るには何が必要?
講座で使う主な要素は次のとおりです。
講座の前提条件のスライド。Geminiは有料版推奨、Manus、OBS、動画素材、Apps Scriptを使う場合はWorkspaceアカウントが必要- Gemini:動画を読み取り、手順テキストとスクショ推奨時刻を出す。精度を求めるなら有料枠の利用が推奨された(講座時点では Gemini 2.5 Pro など)。現行プランはGoogle One AI / Gemini(https://gemini.google.com/)の案内を確認する
- OBS:画面録画用。無料
- Manus:動画からフレームを切り出し、PDFやドキュメントへスクショを埋め込むAIエージェント。クレジット制
- Google Apps Script:ドキュメント内の画像をページ幅に合わせて一括リサイズ。実行の承認はGoogle Workspaceアカウント向け、という注意があった
サンプル動画も用意されていましたが、実習では受講者自身が説明したい操作を撮るのが推奨されました。
OBSで画面操作はどう録画する?
手順の概要は次です。
OBSのシーン欄の左下にあるプラスマークを矢印で示したスライド
OBSでシーンに名前をつけてOKを押す画面のスライド
OBSの画面全体の説明。撮影される画面、ワークスペース、設定したソース、音量調整、録画開始ボタンの位置に注釈がある- OBS(https://obsproject.com/)をインストールし、シーンを追加する(例: 「マニュアル作成用」)
- ソースにスクリーンキャプチャ(Windowsでは画面キャプチャ等)を追加し、録画したいディスプレイを選ぶ
- プレビューが拡大しすぎているときは、ソースを右クリックして「出力サイズを変更(ソースサイズ)」などでキャンバスに合わせる
- 音声ミキサーでマイク入力を確認してから「録画開始」
WindowsとmacOSでソース名の表記が違うことがありますが、画面全体または対象ウィンドウを取れるソースを選べば同じ目的です。マイクが無音のまま長時間録画してしまう失敗が多いため、レベルメーターが動いているかを開始前に確認します。
Geminiに動画を渡して手順書を作るには?
録画したファイル(またはサンプル)をGeminiにアップロードします。講座では、おおむね30分程度までの動画でも内容と画面操作を踏まえた文章化ができる、と説明されました。続けて、マニュアル作成用のプロンプトを送ります。
Geminiに渡すプロンプトの例。動画の内容を理解し、スクリーンショットの秒数を0.1秒単位で示すよう指示しているプロンプトの要点は次です。
- 動画から操作マニュアルをステップごとに作成する
- 必要な箇所にスクリーンショットを取るべき秒数を明示する
- 1点だけでなく、前後0.1秒程度ずらした候補を複数示す(タイミングずれ対策)
返ってきたテキストには、「〇分〇秒付近の画面をスクショする」といった指示がステップごとに入ります。ここまででも、手動でドキュメントに貼れば実用的な手順書になります。Gem(カスタム指示)に同じプロンプトを入れておくと、次回から入力を省略しやすい、という運用も紹介されました。
スクリーンショットはどう入れる?
タップで拡大スクリーンショットの入れ方を比べた図。手動はGoogleドキュメントに書き出して自分でキャプチャし、費用が少なく短い手順向き。Manusは文章と動画を渡して一括で入れ、長い動画向きだがクレジット制で時間がかかる- 手動:Geminiの出力をGoogleドキュメントへ書き出し、指定秒数の付近を動画から自分でキャプチャして差し込む
- AIエージェント(Manus):文章と元動画を渡し、指定秒付近のフレーム抽出からPDF/ドキュメント出力まで任せる
スクリーンショットを入れる方法を2つ並べたスライド。ドキュメントに手動で入れる方法と、AIエージェントで一括で入れる方法手動ルートは追加課金が少なく、短い手順向けです。長い動画やスクショ枚数が多い場合は、後者の一括ルートが本講座の主眼でした。
Manusでスクショ付きマニュアルを一括で作るには?
Manus(https://manus.im/)は仮想環境上でCLI操作なども行い、動画をフレーム分割して必要な画像を抜き、文書へ配置できます。講座では、Geminiで作ったマニュアル本文をコピーし、元動画とともにManusへ貼り付け、「指定秒の上下0.1秒で3枚ずつスクショし、PDFにまとめて」と依頼する流れでした。
Manusを活用するスライド。動画を読み込める、スクショを撮ってくれる、PDFやドキュメントでエクスポートできる
Manusが動画からスクリーンショットを切り出してマニュアルを作っている画面
Manusで作ったマニュアルをGoogleドキュメントに書き出すメニューを矢印で示したスライド生成には時間がかかることが多く、待ちのあいだは別作業をする、あるいは完了通知を待つ使い方が現実的、と説明されました。テスト時のクレジット消費例として200台のクレジット、という話もありましたが、タスクの長さで変動します。2026年11月時点の公式案内では、無料プランは日次クレジット、Proは月額クレジット制(例: 月4,000クレジットから)です(Manusの料金ヘルプ(https://help.manus.im/en/articles/11711111-what-is-the-current-membership-pricing-for-manus))。正確な金額と付与量は公式の最新表示を確認してください。
タップで拡大Geminiのマニュアル本文と元動画をManusに渡し、指定秒の上下0.1秒から3枚ずつスクショしてPDFにまとめるよう依頼する手順。うまくいった手順は、Manus側のナレッジ(学習済み手順)として保存し、次回から同型のスクショ付きマニュアル作成を短縮できる、という話もありました。
画像サイズはApps Scriptでそろえられる?
Manusや手動で入れた画像がドキュメント上で極端に大きくなることがあります。講座では、Googleドキュメントの「拡張機能 → Apps Script」に、全画像をページ幅へ収めるスクリプトを貼り、実行する方法が示されました。
実行時は権限の確認ダイアログが出ます。講座時点の注意として、個人のGoogleアカウントでは承認フローが進みにくく、Google Workspaceアカウントでの実行が前提に近い、と説明されました。承認後に実行すると、はみ出した画像がページ幅に合わせてリサイズされます。不要な文言や余分な候補スクショは、最後に人手で削除して仕上げます。
タップで拡大Googleドキュメントの拡張機能からApps Scriptを開き、スクリプトを貼って実行・承認し、画像をページ幅にそろえて最後に人の手で整える4つの手順の図。個人アカウントでは承認が進みにくい注意つき製品説明の動画からも記事やマニュアルを作れる?
同じ流れは、画面操作だけでなく、実物の製品を手に取りながら説明する動画にも使えます。講座ではマイクの操作説明を例に、記事形式の文章とスクショ位置の明示、Manusでの差し込みまでを示しました。社内ツールの手順書、ブログの操作解説、オンボーディング資料などへ横展開しやすい、というのがまとめのメッセージです。
タップで拡大実物の製品を説明する動画を記事形式の文章とスクショ位置にまとめ、Manusでスクショを差し込む流れ。マニュアル作りをNotionとClaudeで進める方法は、動画からマニュアルを自動作成|Claude Code×Notion連携とトークンの設定で扱っています。
まとめ
- OBSで操作画面(と音声)を録画し、Geminiに上げてステップ付きマニュアル文とスクショ秒数を生成する
- 短いものはドキュメントへ手動貼り付け、枚数が多い・自動化したい場合はManusで一括埋め込みする
- Manusはクレジット制で待ち時間があるため、投げて別作業する運用が現実的
- 画像が大きすぎるときはApps Scriptでページ幅に一括リサイズする(Workspaceアカウントでの実行に注意)
- プロンプトや手順をGem/ナレッジに残すと、同種のマニュアル作成が再現しやすくなる
よくある質問
無料のGeminiだけでもできるか?
講座では有料枠の方が精度が高いとされつつ、無料でもある程度は使える可能性に触れました。長尺動画や細かいUIの読み取りでは、有料モデルの方が安定しやすいです。
OBSのソース名がマニュアルと違うときは?
OSやOBSのバージョンで「スクリーンキャプチャ」「画面キャプチャ」「ウィンドウキャプチャ」などの表記が違います。画面全体または対象ウィンドウを取れるソースを選べば問題ありません。
Manusの代わりにChatGPTのエージェントは使えるか?
講座では、同様の動画フレーム抽出〜文書埋め込みはChatGPT側では難しく、他の有名エージェントでもCLI操作による切り出しまではしにくい、という比較がありました。現行機能は各サービスの最新仕様を確認してください。
Apps Scriptが認証で止まるときは?
個人アカウントでは詳細設定から進む画面が出ても先へ行けない/Workspaceでは進める、という整理でした。組織のWorkspace管理者ポリシーでもブロックされることがあります。
スマホで撮った動画のスクショが荒いときは?
ドキュメントへ取り込んだ段階で解像度やコーデック変換の影響が出ることがあります。撮影時の解像度・フレームレート・互換性優先の設定を見直す、といった対処が案内されました。
スクショ時刻がずれるときは?
前後0.1秒ずつ複数候補を出させ、あとで1枚に絞る方法が推奨されました。Manusに渡すときも、その複数指定を活かせます。
どれくらいで1本作れるか?
Manusの待ちを除けば、流れを把握したあとはおおよそ数分程度、という目安が示されました。初回はOBS設定と権限承認に時間がかかります。