LINE公式アカウントにL Harnessをつなぐと、友だちをタグで分け、配信の順番やタイミングを管理できます。Cursor などの AI からシナリオを作ることもできますが、接続前には複数のアカウントと認証情報を自分で用意する必要があります。
2026年8月24日、講師のあーささんが「AIで動かすLINEツール LINE Harness学習会」を開きました。LINEを使った集客導線の設計も手がけるあーささんが、テスト用のLINE公式アカウントを作るところから、管理画面での配信設定、AIでのシナリオ作成まで実演した回です。製品名は現在L Harness(旧称:LINE Harness)で、当日の告知には旧称が使われました。
LINE公式アカウントとL Harnessは、どう役割が違う? LINE公式アカウントだけでも友だちにメッセージを送れます。L Harnessを組み合わせると、友だちにタグを付け、関心や流入経路に応じて配信を組み立てられます。あーささんはLINE公式アカウントを届ける窓口、L Harnessを誰にいつ何を届けるかを整理する場所として説明していました。
タップで拡大 LINE公式アカウントは友だちへメッセージを届け、L Harnessはタグやシナリオで届け先とタイミングを整理する。 L HarnessとLINE公式アカウントの役割を並べた講座資料。L Harness側にタグや配信の管理、LINE側に友だちへ届ける窓口が描かれている。 当日映った管理画面には、友だち管理、タグ管理、シナリオ配信、一斉配信、フォーム、流入経路別リンクなどの項目が並んでいました。L HarnessはオープンソースのLINE向け顧客管理ツールです。2026年11月時点の開発元の機能案内 でも、タグや配信、フォームを扱う機能が紹介されています。顧客管理を指す「CRM」は、誰が何に関心を持ち、どんなやり取りをしたかを記録し、次の案内に生かす考え方を指します。
LINEでつながった人には、何を届けられる? あーささんが最初に示したのは、SNSや紹介、イベントで出会った人とのつながりをLINEに残す流れでした。その人が何に関心を持ったかを見て、必要な時期に講座や相談を案内します。全員に同じ文章を一斉に送るだけの使い方ではありません。
タップで拡大 SNSやイベントで出会い、LINEでつながりを残し、関心を知って必要な時期に案内し、講座や相談へつなげて関係を育てる5つの流れ。 出会う、残す、知る、届ける、育てるの順にLINEで関係を続ける流れを示した講座資料。 講座では流入経路や関心、購入・参加状況を記録して案内を分ける例も出ました。会員サイトのような拡張についても触れましたが、あーささん自身はまだ作ったことがなく、今回の実演にも含まれていません。
顧客情報を記録し、関心ごとに分け、案内と継続的な支援につなぐ流れを示した講座資料。 無料で始められる範囲と、別にかかる費用は? 講座中、あーささんはL Harnessを無料のツールとして紹介しました。ただし、費用を考えるときはツール本体と周辺サービスを分ける必要があります。
タップで拡大 L Harness本体は0円で、LINE配信は月200通まで無料、Cloudflareの超過利用・独自ドメイン・導入保守には別途費用がかかる場合がある。 L Harness本体:ソフトウェア利用料は0円 LINE公式アカウントの配信:コミュニケーションプランは月額固定費0円、無料メッセージは月200通。追加メッセージは送れない Cloudflare:無料枠を超えた利用には費用がかかる場合がある 独自ドメイン:使う場合は別途費用がかかる場合がある 導入・保守:依頼する場合は別途費用がかかる場合がある 出典:開発元の料金説明 、LINEヤフーの料金プラン 、Cloudflare R2の料金表 (2026年11月時点)。
LINEヤフーの料金プラン では、2026年11月時点のコミュニケーションプランは月額固定費0円、無料メッセージは月200通です。絞り込み配信やステップ配信も通数に数えられます。無料枠を超えたら自動で課金されるわけではなく、このプランでは追加メッセージを送れません。配信先をタグで絞れば通数を抑えられますが、L Harnessを入れてもLINE側の通数制限は残ります。
Cloudflare R2には公式の料金表 があり、2026年11月時点で標準ストレージに月ごとの無料枠が設けられています。講座ではR2を有効化する際に支払い情報の入力画面が出ることも示されました。実際の利用量と契約条件は、導入時にそれぞれの管理画面で確かめます。
導入前に、何を用意する? 設定は一つの画面だけでは終わりません。講座では必要な値を後から探し直さずに済むよう、講師が控え用のシートを用意していました。そこには認証情報も入るため、共有画面や記事に値を載せない扱いが必要です。
タップで拡大 Cloudflare、テスト用LINE公式アカウント、LINE Developers、LIFF、ターミナル、接続確認の順に進める。 Cloudflareの準備からLINE公式アカウント、開発者向け設定、ターミナルでのセットアップ、接続確認までの流れを示した講座資料。 Cloudflareのアカウントを用意し、画像などの保存に使うR2を有効化する。 既存の運用に影響しないよう、テスト用のLINE公式アカウントを新しく作る。 LINE DevelopersでMessaging APIとLINE Loginの設定を進める。 LINE LoginのチャネルにLIFFアプリを追加する。LIFFはLINE内で動く画面を作る仕組みです。 ターミナルからセットアップし、作成されたURLを控える。 Webhookとログイン先のURLをLINE側に設定し、友だち追加で接続を確かめる。 Cloudflareアカウントの作成とR2の有効化を説明する講座資料。 あーささんは、本番で使っているLINE公式アカウントを最初の練習につながないよう勧めていました。応答設定を変えるため、既存の友だちへの配信に影響しうるからです。
テスト用LINE公式アカウントを新しく作る手順を説明する講座資料。 LINE Developersでは、どの値を控える? LINE公式アカウントでMessaging APIを有効にした後、LINE Developersの画面で必要な値を控えます。Messaging APIは、外部の仕組みからLINEのメッセージを扱うための接続口です。講座ではチャネルID、チャネルシークレット、長期チャネルアクセストークンを確認していました。
タップで拡大 Messaging APIの認証情報、LINE LoginのチャネルID、LIFF IDを別々に控える。 Messaging APIで控えるチャネルID、チャネルシークレット、チャネルアクセストークンの用途を整理した講座資料。 続いてLINE Loginのチャネルを作り、そのチャネルIDも控えます。Messaging API側のチャネルIDとは別の値です。あーささんが強調したのは、作成直後の「開発中」を「公開」に変えること。講座の手順ではここを忘れると後の動作確認でエラーになると説明していました。
LINE Loginのチャネルを作り、チャネルIDを控えて公開する手順を示した講座資料。 さらに同じLINE LoginチャネルにLIFFアプリを追加し、LIFF IDを控えます。画面上のエンドポイントURLはセットアップ後に更新するため、講座では仮のURLで先に作っていました。チャネルシークレットやアクセストークンは秘密情報です。AIに渡す場合も、何を送ってよいかを先に判断する必要があります。
ターミナルでのセットアップは、どう進む? あーささんはMacでターミナルを開き、Node.jsのバージョンを確かめてから、講座資料にあるセットアップ用コマンドを実行しました。資料に示された必要条件はNode.js 22以上です。ただし、セットアップ手順や必要なバージョンは更新されるため、2026年11月時点で実行するなら開発元の公開コードと案内 も確認します。
Node.jsのバージョン確認とL Harnessのセットアップ用コマンドを示した講座資料。 コマンドの実行後は、プロジェクト名と控えておいた認証情報を順に入力します。あーささんは数字が似たチャネルIDを取り違えないよう呼びかけていました。設定が終わると、管理画面のURLやLINE側に登録するURLが表示されます。その場で控え、画面共有や公開記事に出さないことが欠かせません。
タップで拡大 ターミナルではNode.js 22以上を確認し、セットアップ用コマンドを実行してプロジェクト名と認証情報を入力し、表示されたURLを控える。 接続後につまずきやすい設定は? セットアップが終わっても、LINE側の応答設定を更新しなければつながりません。当日はまずWebhookのURLをMessaging APIの設定へ保存し、それから応答設定でWebhookをオンにしました。Webhookは、友だち追加などの出来事をLINEから外部の仕組みに知らせるための通知です。LINE Developersの説明 にも、Webhookでイベントを受け取る流れが載っています(2026年11月時点)。
タップで拡大 Webhook URLをLINE側に保存して有効化し、ログイン先を更新して友だち追加を試す。 講座では、チャット、あいさつメッセージ、応答メッセージをオフにし、Webhookをオンにしました。続けてLINE LoginのコールバックURLとLIFFのエンドポイントURLを、セットアップ後に表示された値へ更新します。最後にテスト用の友だち追加リンクで動作を見て、管理画面に反映されたか確かめる流れです。
Webhookやログイン先の設定、友だち追加で止まったときに確認する項目をまとめた講座資料。 あーささんによると、友だち追加リンクは通常のLINE公式アカウントとは表示が一段増え、LINEアプリでのログインを求められる場合があります。初めて登録する人が戸惑わないよう、案内文も考えておくとよさそうです。
管理画面では、どんな配信を作れる? 接続後の管理画面には、一斉配信とシナリオ配信がありました。シナリオ配信では友だち追加時などの開始条件を決め、メッセージと配信間隔を一つずつ設定します。講座では「友だち追加時」を選ぶ画面と、次のメッセージまでの遅延時間を入力する画面を実演しました。
タップで拡大 管理画面には一斉配信とシナリオ配信があり、入口別URLのリファラルリンクと録画動画を見せるオートウェビナーも紹介された。 L Harnessの管理画面。友だち、シナリオ、配信、テンプレートなどの項目と件数が並ぶ。 新しいシナリオを作り、友だち追加時などの開始条件を選ぶ画面。 シナリオの次のメッセージについて、順番と遅延時間、文面を入力する画面。 リファラルリンクは、Instagram、X、Webサイト、名刺など、入口ごとに友だち追加用のURLを分ける機能として紹介されました。どこから登録されたかを後で見られます。当日の画面ではリンク件数は0。作成したリンクの成果までは示されていません。
流入経路ごとにURLを発行するリファラルリンクの管理画面。講座時点ではリンクはまだない。 録画動画を置いて見てもらうオートウェビナーの画面も見せていました。こちらも当日は未作成で、講座内での動作確認まではしていません。
録画動画を使うオートウェビナーの管理画面。講座時点ではウェビナーはまだない。 AIをつなぐと、配信作業はどう変わる? 管理画面で一つずつ設定する代わりに、AIからシナリオ作成を頼む例も紹介されました。あーささんはCursorとL Harnessをつなぎ、短い指示でシナリオが管理画面に作られた例を見せています。MCPは、AIが外部ツールの機能を使うための接続方法です。Claude Codeでも接続して使っていると話していました。
タップで拡大 管理画面では開始条件と配信間隔を手入力し、AI連携ではシナリオを作らせた後に内容を確認する。 AIの短い指示で作ったシナリオがL Harnessの管理画面に並ぶ。友だち追加直後と10分後のメッセージが表示されている。 ただし、短い指示だけで作った文面は大まかです。あーささんも最初の指示を詳しくするか、作成後に文章を直せると説明していました。実際の配信前には相手に合った内容か、順番と間隔に無理がないかを人が確認する必要があります。AIと外部ツールの接続を別の仕事に広げる例は、Claude Code×Notion連携|接続からデータベース作成、ログの再利用まで の回でも扱っています。
どんな運用に向き、始める前に何を確かめる? 友だちの関心に合わせた案内や、複数の流入経路を見ながらの配信を自分で組み立てたい場合に、今回の仕組みは候補になります。一方、最初の設定にはCloudflare、LINE公式アカウント、LINE Developersを行き来する手間がかかりました。あーささんもAIやターミナルに慣れていない人には導入のハードルがあると話していました。
運用を始めてから別のツールへ乗り換える場合の課題は、集めた人の情報や配信設定の移行です。無料という一点だけで決めず、配信量、管理する情報、保守を誰が担うかまで見て選ぶ必要があります。LINEを使った継続的な案内の別例は、AIエージェントで続ける LINE教育講座 で紹介されています。Claude・Codex のスキル作りと、Notion のマニュアル化や Gmail 通知の自動化は、Claude・Codexのスキルの作り方|NotionマニュアルとGmail通知の自動化 の回で扱っています。
タップで拡大 関心に合わせた案内と複数の流入経路を扱う運用の候補になり、導入時の複数画面の設定と乗り換え時の情報・配信設定の移行を確かめる。 まとめ L HarnessはLINE公式アカウントと組み合わせ、タグやシナリオで届け先と配信時期を整理する 導入にはCloudflare、テスト用LINE公式アカウント、LINE Developers、LIFFの準備がいる Messaging APIとLINE LoginのチャネルIDは別物。秘密情報も分けて控える セットアップ後はWebhookとログイン先のURLをLINE側に登録し、友だち追加で動作を確かめる CursorなどのAIからシナリオを作れても、文面と配信間隔は送信前に確認する L Harness本体の利用料と、LINE配信・Cloudflare・導入保守の費用は分けて考える よくある質問 LINE公式アカウントだけでもメッセージを送れますか? 送れます。L Harnessを加えると、タグやシナリオを使って、誰にいつ届けるかを細かく整理できます。
L Harnessは完全に無料ですか? 本体のソフトウェア利用料は0円です。2026年11月時点の開発元の料金説明 では、LINEの配信、Cloudflareの無料枠を超えた利用、導入や保守などは別に考える必要があります。
無料のLINE公式アカウントで200通を超えたら、自動で課金されますか? 自動では課金されません。2026年11月時点のLINEヤフーの料金プラン では、コミュニケーションプランは月200通までで、追加メッセージは送れません。
使っているLINE公式アカウントで試しても大丈夫ですか? おすすめしません。講座ではテスト用を新しく作って試すよう勧めていました。接続時に応答設定を変えるため、運用中のアカウントは最初の練習に使わない、という判断です。
LINE Loginのチャネルは作っただけで使えますか? 作っただけでは使えません。講座の手順では作成後に「開発中」から「公開」へ変更します。Messaging APIのチャネルIDとは別のIDを控え、LIFFアプリも追加していました。
AIに頼めば、設定も配信文もすべて完成しますか? すべて任せることはできません。当日はアカウントや認証情報を人が準備し、AIが作ったシナリオの文面も大まかだったため、配信前に確認して直す流れでした。